Q:キャッシュフローの悪化により、公租公課の支払いが厳しい場合、どのように対処すればよいでしょうか?
質問
Q:キャッシュフローの悪化により、公租公課の支払いが厳しい場合、どのように対処すればよいでしょうか?
回答
A 国税については,国税庁が納税猶予制度の活用を呼びかけています。
納税猶予制度は,以下の要件を満たせば,税務署に申請することで,原則として1年以内の期間に限り,納税等の猶予が認められるというものです(国税徴収法第151条の2)。
- 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
- 納税について誠実な意思を有すると認められること。
- 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
- 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。
猶予が認められた場合,以下の効果が発生します。
- 原則,1年間の猶予が認められます。
- 猶予期間中の延滞税が軽減されます。
- 財産の差押えや換価(≒売却)が猶予されます。
なお,上記の要件をすべて満たさなくても,税務署長の職権により,換価の猶予が受けられる場合もありますので,まずは,所轄の税務署(徴収担当)にご相談ください。
また,新型コロナウイルス感染症により以下のようなケースに該当し,事業所の財産に相当な損失を受けた場合は,納税の猶予が認められることがありますので,所轄の税務署にご相談ください。ケースにより,用意する必要のある書類が異なりますのでまずは電話でご相談することをお勧めいたします。
① 災害により財産に相当な損失が生じた場合
新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより,備品や棚卸資産を廃棄した場合
② ご本人またはご家族が病気にかかった場合
納税者ご本人または生計を同じにするご家族が病気にかかった場合,国税を一時に納付できない額のうち,医療費や治療等に付随する費用
③ 事業を廃止し,または休止した場合
納税者の方が営む事業について,やむを得ず休廃業をした場合,国税を一時に納付できない額のうち,休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額
④ 事業に著しい損失を受けた場合
納税者の方が営む事業について,利益の減少等により,著しい損失を受けた場合,国税を一時に納付できない額のうち,受けた損失額に相当する金額
詳しくは,国税庁のHP内の特設ページをご覧ください。
また,厚生年金保険料等についても同様の猶予措置があります。詳しくは,日本年金機構のHP内の特設ページをご覧ください。
- Q:キャッシュフローの悪化により、公租公課の支払いが厳しい場合、どのように対処すればよいでしょうか?
- Q:会社の業績が悪いので,やむなく破産しようと思いますが,法人税や社会保険料を滞納しているため督促状が届いている状況です。この場合,どのように対応すればよいでしょうか?
- Q:会社を複数経営していますが,そのうち1社の業績が思わしくありません。もしこの1社が破産した場合,他の会社にも法的な影響は出ますか?
- Q:金融機関に対して返済が困難な場合,どのように対処すればよいでしょうか?
- Q.コロナウイルスの影響で追加融資を受けましたが、キャッシュフローが回りません。どうすればよいでしょうか?
- 二種類の倒産と再生しやすい倒産
- 今回会社の破産申立をすることになったのですが,従業員の未払い給料,退職手当について,会社に現金や財産がない場合どうしたら良いでしょうか?
- 会社が破産したとき、従業員の未払い給料はどうなりますか?
- 会社が経営不振の場合に社長の自宅はどうなる?
- 会社の破産申立てを検討しているのですが、破産申立後、リース中のコピー機や残ローン有りの社用車を今後も使用することはできますか?
- 会社の経営者ですが、資金繰りが上手くいかないときはどう対処したらよいのでしょうか?
- 会社破産した後は仕事をしてもいいのですか?
- 小さな製造業を経営していますが、過剰債務のため倒産を考えています。倒産すると仕入先に迷惑をかけてしまうので,仕入先だけに先に支払いを済ませてから破産申立したいと考えていますが、問題はありませんか?
- 建設業を営んでいるのですが,経営状態が悪化しているため,やむなく破産を考えています。工事途中で破産してしまった場合,工事途中のものはどうなるのでしょうか?
- 法人が破産した場合、代表者も個人破産をしなければならないのでしょうか?
- 法人が破産した場合、滞納している税金はどうなりますか?
- 法人が破産すると債務はすべてなくなるのですか?
- 法人が破産すると従業員の健康保険証は使えなくなりますか?
- 法人が破産すると従業員は失業してしまいます。失業給付はどのように申請するのですか?
- 法人が破産する場合、借りていた事務所や倉庫はどうしたらよいですか?
- 法人が破産する場合、従業員の未払い給与や退職金の扱いはどうなるのでしょうか?
- 法人が破産する場合、連帯保証人はどうなりますか?
- 法人にも免責不許可事由はありますか?
- 法人の同時廃止はできるのでしょうか?
- 法人破産にも少額管財(最低20万円の予納金でできる管財事件のこと)はありますか?
- 破産した会社に対して買掛金の支払い債務があります。どうしたらよいですか?
- 破産を申し立てるにあたり、法人と個人とで対応に差異はありますか?
- 破産手続き中に同じ仕事をしても良いですか?
- 破産開始後に業務の手伝いをした従業員への報酬の支払いはどうすればよいですか?
- 私の父は会社経営をしていたのですが,業績が著しく悪化したためやむなく破産をする ことになりました。しかし,破産の申立てをする直前に父が急死してしまいました。こ の場合,破産の手続きはどのようにしたら良いでしょうか?
- 私は神戸市で株式会社の社長をしていますが,自宅は大阪市にあります。会社の経営状態が良くないため,会社と私個人の破産申し立てをすることになったのですが,私個人の破産申立も神戸地方裁判所に行うことが可能でしょうか?