小さな製造業を経営していますが、過剰債務のため倒産を考えています。倒産すると仕入先に迷惑をかけてしまうので,仕入先だけに先に支払いを済ませてから破産申立したいと考えていますが、問題はありませんか?

質問

 

小さな製造業を経営していますが、過剰債務のため倒産を考えています。倒産すると仕入先に迷惑をかけてしまうので,仕入先だけに先に支払いを済ませてから破産申立したいと考えていますが、問題はありませんか?

 

回答

後に偏頗弁済として否認され、かえって仕入先に迷惑がかかるおそれもあります。

破産手続においては、すべての債権者を平等に扱わなければならないという原則があります(債権者平等の原則)。そのため、この原則に反して、仕入先だけに支払いをすることは、偏頗(へんぱ)弁済として禁止されています。

 

そのため、破産手続の開始前であっても、仕入先だけに支払いをすると、破産手続き開始後に、破産管財人から否認されるおそれがあります。具体的には、支払不能後に支払いをした場合や、支払不能になる前30日以内に支払期限前の支払いをした場合などです。

 

否認されると、その支払いは無効となり、破産管財人が仕入先に対して支払請求をする可能性があるため、かえって仕入先に迷惑をかけてしまうことにもなりかねませんので、ご注意ください。

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