法人:従業員らの転職先を確保し,円満に破産手続きをした事例 代表者個人:自由財産拡張枠を超える生命保険契約を維持できた事例
プライバシー等の保護のため,事案の概要等は事案の趣旨を損なわない範囲で変更していることがあります
概要
依頼者(法人及び代表者) | 法人と代表者(建設業) | |||
債権者 | 法人:20社以上
代表者個人:10社以上 |
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負債総額 | 法人:約7600万円(財団債権含む)
代表者個人:約3800万円 |
問題点
法人:破産者(法人)名義の一部車両を代表者家族が生活に必須として継続使用(買受)を希望しており,自動車保険の期限も迫っていたため,速やかに破産管財人へ売買譲渡をお願いしました。
個人:入院加療中で退院後の再就職も難しかったことから,生命保険(治療・入院給付有)の解約返戻金額が自由財産拡張枠(99万円まで)を超える金額でしたが,契約継続の希望を申し出ました。
ご依頼の経緯
代表者が重いうつ病にり患し,経営に携われなくなったことで資金繰り等が苦しくなり,経営破綻するに至りました。
解決のポイント
代表者個人が入院加療中だったため,ご家族の協力を得ながら対応しました。当方からのアドバイス,指導にも的確に素早く対応していただき,破産申立の決断が早かったことで,法人及び代表者個人の現金・預貯金を早い段階で確保・管理ができました。また,従業員らについても,破産手続きについての経緯と今後の流れをご説明し十分な理解を得ることができたことで,大きなトラブルに発展することなく,全員が関連会社へ速やかに再就職してもらうことができました。
代表者個人についても,裁判所からご本人及びご家族の生活維持のためという特別な事情を考慮していただき,自由財産拡張枠(99万円まで)を超える生命保険契約の継続の許可を得ることができました。
破産申立に関しては,ある程度余力のあるうちに早目にご決断して準備を進めれば,手続がスムースに進み,債権者のみならずご本人やご家族にとってもメリットになり得ます。
これまでに数多くの法人破産・事業再生のご相談をお受けしてきましたが、「もっと早くに相談に来てくれていれば…」と思ってしまう案件も多々ございます。資金が尽きかけてしまってからでは、選択可能な方法も限られてきてしまいますので、出来るだけ早期の段階でお気軽にご連絡ください。「破産」はあくまで破滅の手続ではなく、「再出発」するための手続きです。破産・再生に強い弁護士にご相談ください。