法人:介護事業所で,利用者を無事に他所へ引継ぎ,賃貸物件を明渡後に破産申し立てをした事例 代表者個人:事業資金の補填のために投機を繰り返していたが裁量免責を得られた事例

プライバシー等の保護のため,事案の概要等は事案の趣旨を損なわない範囲で変更していることがあります

概要

依頼者(法人及び代表者) 法人と代表者(介護事業)
債権者 法人:19社以上

代表者個人:13社以上

負債総額 法人:約750万円(財団債権含む)

代表者個人:約3000万円(住宅ローン含む)

問題点

法人:破産者(法人)の代表者は,毎月の運転資金の確保に窮する中で,滞納していた税について当局から厳しく督促されていましたが,破産申立費用を確保する必要があり,適切なタイミングでの介入が求められました。

個人:申立準備を進める中で,破産者が一定の期間,投機を繰り返していた事実が判明し,裁量免責事由を申し述べる必要がありました。

 

ご依頼の経緯

利用者への迷惑と従業員らの負担をできる限り少なくして,破産手続を行いたい。

 

解決のポイント

代表者個人が,介護事業に対し真摯な気持ちで設立運営されていたこともあり,従業員の方からの厚い信頼がありました。そのため,利用者の方々の移転先の確保にも,従業員の方からの協力を得られたことで,全員の利用者を無事に引き継ぐことができました。また,賃借物件を1か月で明け渡せたことで賃料の負担を最小限にできたこともあり,財団組入れ可能な現金をある程度残しての円滑な破産申立となりました。

 

代表者個人については,過去の一定期間ですが,相当回数の投機をされていたことが判明したため,丁寧にその収支を拾い上げて一覧表にしたところ,トータルの収支が僅かでしたがプラスになっていたことが分かりました。また,そもそもその支出が破産の原因となっておらず,上記事業の運転資金を少しでも得たいとの切実な思いからであったことなどを説明し,無事,免責を得ることができました。

 

厳しい状況に至ったとしても,あきらめずに破産者の方と真摯に解決に向けて向き合い,できることを地道に遂行すれば,結果は得られるものなのだと実感した事例です。

 

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