会社解散，会社清算

１　会社解散，会社清算とは

会社解散とは，会社の事業をやめることをいいます。会社の解散事由として最も多いのは，株主総会決議です。会社の株主総会で，会社を解散する，という決議をするわけです。これによって，会社の事業はストップします。
では，解散した会社をそのままにしておいてよいのでしょうか。実は，解散しただけでは，会社は消滅しません。解散しても，会社には資産と負債が残っていますので，これらを整理しなければなりません。それが，会社清算の手続です。

 

２　会社清算の流れ

会社清算では，会社に残っている資産を換価してすべてお金に換えます。未回収の売掛金等がある場合は，その売掛金も回収します。そして，換価・回収したお金で，負債を弁済します。負債を弁済してもまだ財産が余る場合は，それらを株主等に分配します。簡単に言うと，会社の貸借対照表（ＢＳシート）を０にする作業です。

 

３　会社清算の種類

会社清算には，以下の2つの方法があります。
（１）通常清算
会社が債務超過でない場合に，会社が自ら行う清算方法です。
（２）特別清算
会社が債務超過の場合に，裁判所の監督のもと行われる清算方法です。破産と似ていますが別の手続です。破産では，会社と利害関係のない破産管財人（弁護士）が換価・分配手続を進めますが，特別清算では，会社の代表取締役がそのまま特別清算人に就任し，裁判所の監督を受けながら換価・分配手続を進めていきます。

 

４　まとめ

会社の破産についてはなじみが深いかもしれませんが，会社を解散して清算するという手続もあるということをお分かりいただけなのではないかと思います。会社を立て直したり畳んだりする方法は，破産や解散・清算のほか，会社更生や任意整理などたくさんの方法があります。会社の経営状況が深刻化する前の方が，より多くの選択肢から最適な方法を選ぶことができます。
会社の経営状況についてご不安な方は，ぜひ早めに，弁護士にご相談ください。一緒に，会社の再建計画や畳み方についてご検討させてください。