破産と受任通知の関係

第1 初めに

破産を考えている方の中には、債権者から連日のように取立てを受け、精神的に疲弊している方も多くいらっしゃると思います。
破産を弁護士に依頼した場合、このような取立ては止まることが多いです。これは、破産事件について依頼を受けた弁護士が「受任通知」という書面を債権者に送ることによるものです。
では、受任通知を送れば一切取立てが止まるのでしょうか。今回は、弁護士に破産を依頼した場合に取立てが止まる法的根拠や、破産と受任通知の関係について解説していきます。

 

第2 破産と受任通知

1 受任通知とは

破産を含む債務整理事件を弁護士に依頼した場合、弁護士から債権者に対して、「受任通知」という書面を送ることがあります。
受任通知とは、弁護士が依頼者から事件を受任したことをお知らせする書面のことを指します。具体的には、受任した事件の内容や、法律事務所の情報(住所、連絡先、担当弁護士名等)、依頼者との取引状況や債権額についての開示依頼などが記載されているのが一般的です。

2 受任通知の効力

⑴ 個人破産の場合

受任通知には、上記内容に加えて、今後は依頼者本人に対して直接連絡したり、取立てを行ったりすることをやめるよう要求する文言が必ず記載されます。
これにより、貸金業者債権回収会社から本人に対する取立ては基本的に止まることになります。なぜなら、貸金業者等は、破産を含む債務整理に関する受任通知を弁護士等から受け取った場合、それ以降本人に対して直接取立てることを法律で禁止されているからです(貸金業法21条1項9号)。これに違反すると、当該貸金業者等は、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金(又はその双方)に課せられます(同法47条の3第3号)。
ただ、貸金業者等が禁止されているのは、「正当な理由」なく取立てを行うことであり、訴訟を提起したり、給料や預金を差し押さえたりするなどの法的手段を用いて回収を図ることは、「正当な理由」があるものとして禁止されていないため、注意が必要です。
また、貸金業法の規制対象は、あくまでも貸金業者や債権回収会社であって、その他の一般債権者(親族、友人、取引先)に効力は及びません。そのため、一般債権者が本人に対して取立てを行っても、違法とはなりません
とはいえ、彼らに対して送る受任通知にも、直接の取立てをやめるよう要求する文言を記載することになりますし、債権者からすれば本人よりも専門家である弁護士と連絡を取る方が合理的であると考えるのが通常であるため、事実上、直接の取立ては止まる可能性は高いでしょう。

⑵ 会社破産の場合

会社破産の場合、貸金業法に定めるような取立て規制はありません。そのため、受任通知を送ったとしても、個人破産における一般債権者と同様、取立てを抑制させるという事実上の効果しかありません。
また、会社破産の場合、個人破産とは異なった配慮が必要となります。なぜなら、会社破産の場合、個人破産と比べると、所有する財産や債権者の数・金額が大きいことが多く、受任通知によって会社が経済的に苦しいことを知らせてしまうと、かえって強引な取立て行為を誘発してしまう危険性があるためです。
会社破産の場合は、債権者からの取立て防止といった要請以上に、破産手続開始前の混乱防止会社財産の確保・管理の要請が強いため、一律に受任通知を送るべきとは考えられていません
ただ、受任通知を送ることで、債権者からの相殺を制限できる(=金融機関に受任通知を送った場合、受任通知送付後に預金口座に入金された売掛金等については相殺が禁止され、会社が売掛金を回収することができる。)などのメリットもあるため、弁護士とご相談の上で、方針を決めるのがよいでしょう。

 

第3 終わりに

今回は、破産と受任通知の関係性について解説しました。
個人破産の場合、依頼者本人は、債権者からの連絡や取立てから解放され、平穏な生活を取り戻すことができるため、受任通知を送るメリットは大きいといえるでしょう。一方で、会社破産の場合、受任通知を送るメリット・デメリットが存在するため、個別の事案ごとの判断が必要となります。
ただ、個人破産にしても法人破産にしても弁護士に依頼する必要性が高いことに変わりはありません。
債権者からの取立てを止めたい方や、破産についてお悩みをお持ちの方は、この分野に詳しい弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

 

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